スペインの経済に関して、簡単に調べてみました。
まず、スペインの経済の規模ですが、米ドルベースのGDP だと約1兆2000億ドルだそうです。1 日本のGDP が4兆4000億ドル程度ですから、規模としては4分の1程度でしょうか。
人口は約4,600万人ということなので、一人当たりのGDP は日本よりも若干少ないくらいでしょうかね。
ここ最近は景気回復しているようです
ユーロ建ての実質ベースでみた経済成長率は、2015年までの5年では次のように推移しています。2
- 2015年:3.2%
- 2014年:1.4%
- 2013年:-1.7%
- 2012年:-2.6%
- 2011年:-1.0%
ここ2年はプラス成長でしたが、それまではマイナス成長だったようですね。景気回復したということでしょうか。
スペイン経済に関しては、リーマンショック以降不調だという印象がありました。ただ、そこまで酷い数字でも無いようですね。特にここ最近は、しっかりと回復しているようにも見えます。
2割を超える失業率
経済関係の統計で特に気になったのが失業率です。これも過去5年の数字を挙げてみましょう。3
- 2015年:22.1%
- 2014年:24.5%
- 2013年:26.1%
- 2012年:24.8%
- 2011年:21.4%
ここ数年は経済成長がみられるため、若干数字は改善しているようです。それでも2割を超える失業者がいることが分かります。おおざっぱに言って、ここ数年は、4人から5人に1人は失業していたということですね。
3%ちょっとという日本の完全失業率と比べると、かなり厳しい状況であることが読み取れます。雇用統計は国によって違うので、単純に比較はできませんけどね。
ちなみに、年代別の失業率を見ると、若い人の失業率はさらにヤバいようですね。ブルームバーグの記事によると、25歳以下の失業率は5割を超えるようです。4
治安の問題には発展していないようです
これだけ失業が多いと、治安にも影響がありそうですよね。しかし外務省のサイトによると、他の国でみられるような暴動は起こっていないのだとか。ちょっと引用してみましょう。
一方で,他の国で見られるような暴動等が起こらないのは,地下経済(報道によればGDPの20%程度に相当)の存在,血縁,地縁による相互扶助関係,15年続いた好況期の蓄え等が挙げられる。
これだけだと詳しいところはわかりませんが、失業問題が長期化すれば問題は起こる可能性があるとも読めます。まあ、放置しておいていい問題でないのは確かでしょう。
- 外務省サイトより:約1兆1,997億ドル(2015年)(出典:IMF) [↩]
- 外務省のサイトより:(出典:IMF,2015年) [↩]
- 外務省のサイトより:(出典:IMF,2015年) [↩]
- スペイン第1四半期失業率・若者の失業率の推移(表)
ブルームバーグ 2015年4月23日 [↩]
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